洪水対策チェックリスト

近年、洪水は世界中で頻繁に発生し、甚大な被害をもたらしています。洪水に備えておくことで、被害の規模は大きく変わる可能性があります。あなたの会社の備えは万全でしょうか?洪水のリスクに対する理解を深め、洪水による損害を軽減するための対策を策定することが必要です。

自社の洪水リスクを確認する:

  • 洪水の脅威を確認する(河岸、川の流れ、沿岸、堤防、地表水など)
  • 洪水の警戒が必要な時期を確認する(鉄砲水、融雪水、長雨、台風など)。
  • 想定される浸水深さを確認する(浸水深さと建物の床高さの比較、浸水深さと建物の入口高さの比較、など)。
  • 水の浸入口を確認する(下水/排水管、建物の出入口、配管貫通部など)。
  • 想定される浸水継続時間を確認する(1日、3日など)。
  • 洪水が施設に与える影響を確認する(建物・構造物、機器・設備、在庫、入出荷エリアなど)。

たった数センチの浸水によって数百万円の損害が発生する可能性があります。わずか50センチ程度の水流によって、車は簡単に流されてしまう可能性があります。台風、爆弾低気圧による冬の嵐、雪解けはよく起こりますが、洪水の原因としては見逃されてしまうことがあります。

洪水への備え・行動を確立する:

  • 気象庁、地方自治体などの洪水警報/監視システムを活用できるようにする。
  • 事前準備および事後復旧の対応を指揮する担当者を規定する
  • 洪水対応および復旧を行う請負業者のリストを作成する。請負業者に周知する。
  • 必要なハード対策を実施する(防水板、防水扉、防水門、土嚢、など)。必要に応じて備蓄品を事前に確保しておく。
  • 排水ポンプを設置し、定期的に試験運転を行う。
  • 重要な機器、文書、図面、ファイル、製品および備品特定し、想定される水位よりも高所に移動する。
  • 屋外の設備および保管品を防護もしくは移動する。
  • ユーティリティ設備の安全な停止手順を定める(電気、ガス、危険物に関する作業など)。
  • 逆流する可能性のある場所に、逆止弁や閉止弁を設置する
  • 資機材の十分な在庫を確保する(モップ、ほうき、雑巾、防水板、土嚢、携帯型発電機、ポンプなど)。
  • 消防設備を維持・保護し、運用計画を作成する。
  • 洪水後の業務を早期に再開するための事業継続計画を策定する。

洪水後の手順と予防策を策定する:

  • 建物の運用再開、清掃、修理などに関わる請負業者に通知する(電気、スプリンクラー、火災報知器、ガス、生産機械/設備、空調設備、建設業者など)
  • 建物の状態を確認し、適切な復旧計画を決定するために、施設全体の調査を実施する
  • 消防設備が正常に機能し、稼働することを確認する(消火ポンプ、スプリンクラー設備、火災報知器およびセキュリティシステム)。必要な場合は、消防設備の請負業者に連絡する。
  • 必要に応じて消防設備停止許可証を発行する。許可証に記載されているすべてのガイダンスに従う。すべての停止区域で指定された火気監視を実施する。
  • 施設全体の禁煙を徹底する
  • 現場に潜む危険に注意する。活線状態の電気配線、割れたガラスや鋭利な金属片、ガスや液漏れ、移動・転倒する可能性のあるもの、などに注意する。
  • ユーティリティ設備、特殊設備および危険なプロセスはすべて、専任の有資格者(責任者)が十分に確認してから再稼働する。
  • 電気は数日/数週間使用できない場合があるため、非常用電源(固定式発電機または可搬式発電機)を準備する。
  • 溶接、切断または研磨作業が必要な場合、火気使用作業許可証が使用されていることを確認する。許可証に記載されているすべてのガイダンスおよび火気監視について実施する。
  • 瓦礫の除去、湿度の高い区域の排水および除湿、建築材料の乾燥のようなクリーンアップ作業を開始する。
  • すべての生産設備およびユーティリティ設備に対して、二次的な損傷または腐食を防止するために、乾燥、除湿および清掃作業を直ちに実施する。

事前に洪水対策を講じることで、損害を大幅に減らすことができます。明確な計画を策定し、十分なハード対策を施し、訓練を行うことで、業務を早期に復旧することが可能になります。備えは万全でしょうか?

洪水緊急時対応計画(FERP:Flood Emergency Response Plan)を作成する:

  • 事前および事後の対応手順および方法を明文化したFERPを規定する。
  • 緊急対応チームを構成し、リーダーを任命し、メンバーに具体的な職務を割り当てる。
  • 緊急対応チームに対して、設備やプロセスを停止する権限を与える。
  • 必要に応じて洪水に関連する外部/内部のトレーニングを実施する。
  • 机上訓練を実施して、FERPの実行を演習する。
  • FERPを毎年レビューし、必要に応じて修正/更新する。

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当社リスク・エンジニアリングについてはこちらをご参照ください。

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